ハレルヤ

ザ・ハントのハレルヤのレビュー・感想・評価

ザ・ハント(2020年製作の映画)
4.0
目が覚めると猿ぐつわを付けられ、どこか分からない場所に放置されている12人の男女。それは富裕層が娯楽として庶民を狩る「人間狩り」。このゲームに巻き込まれた人々の生き残りを賭けた戦いを描くサバイバルスリラー。

こういうストーリーと言えば「ハンガーゲーム」や「バトル・ロワイアル」を思い浮かべます。限定空間での戦いは本作でも展開されますが、他の作品とは違ういくつもの要素があります。

まずゲームが始まってから、「あぁこの人が主人公か」と思ってた人が早速犠牲に。次に切り替わった人物もまたすぐ殺される。同じような流れが続き、主人公が誰か分からない。ここが結構面白いところ。そして誰が味方で誰が首謀者の一員なのか。誰も信じられない状況も見応え抜群。

開始してからしばらくしてやっと登場する主人公クリスタル。女性なのにメチャクチャ強い。冷静で勘が鋭いし、格闘も抜群。罠を潜り抜け首謀者たちの計画を狂わせて、形勢を逆転していく流れも面白かったです。

クリスタル役にはベティ・ギルピン。今まであまり知らなかった方でしたが、美形でアクションも華麗にこなす。かなり魅力的な方だったので他の作品でも見てみたいですね。

人間狩りのボス的存在のアシーナ役にはヒラリー・スワンク。なかなか素顔を現さず、正体が割れるのはラスト30分。クライマックスのバトルでは普段なかなか見れない彼女の格闘シーンがあり必見です。

一連のアクションもブラックユーモアに満ちていてエグさがあるのに不思議と見やすさがありました。それに加えて情報社会による風評被害や格差社会など様々な風刺があるのもポイント。

初めはそれほど見るつもりはありませんでしたが、思っていた以上に楽しめた作品でした。1時間半という短い時間で片っ端から色んな面白味を詰め込んでいたのも良かったです。
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