きゅうげん

ハロウィン THE ENDのきゅうげんのレビュー・感想・評価

ハロウィン THE END(2022年製作の映画)
3.3
『ハロウィン』新三部作完結編。
前作から4年後、恐怖に支配されたハドンフィールドでは惨劇の記憶に起因する大小さまざまな事件・事故が多発していた。
進学を控える青年コーリーは、ベビーシッターのアルバイト中に子供を転落死させてしまう。町から向けられる視線は耐え難いものだったが、そんな彼に思わぬ出会いが訪れる。それはマイケル・マイヤーズ最大の被害者ローリーとその孫アリソンであった……。


『ハロウィン』事件と重なる事故当事者というのはニクい構図であり、加害者・被害者の感情の機微・起伏は痛切ですが、しかしこれじゃ『ハロウィン』のパロディドラマに終始しちゃうし、『ハロウィン』の魅力が“ヒトコワ”っぽく矮小化・希薄化してる気がします。
「邪悪な形」マイケル・マイヤーズが隅に追いやられてるのは勿論のこと、最大の被害者ローリーの思わぬ加害性という、シリーズを建設的に問い直す側面もあったのに、棚上げからの死体蹴りエンド。
(ま、あぁしないと終わらせようがないのは分かりますが、シリーズ作品らしいもっと気の利いた決着があったような気も……)
試みというか心意気というか、その姿勢は買いたいけど最終作でやることじゃなくない?……って映画でした。