えーこ

海辺の映画館―キネマの玉手箱のえーこのレビュー・感想・評価

4.5
20年ぶりに故郷、尾道で撮る。
監督は公開を待たずして"太陽もろとも去つてしまつた"
まさに遺作にして集大成!
ゆかりの俳優たちも大集結!
これは大林監督のニュー·シネマ·パラダイス?
映画愛に溢れたザッツ反戦エンターテインメント☆

「我が映画人生も幕引きさ」
今夜であの瀬戸内キネマもおしまい。
戦争って何?…
大林監督が教えてくれるよ。
 幾時代かがありまして、
   茶色い戦争がありました
この映画は中原中也さんに導かれ、20世紀の日本の戦争映画を訪ねてみるものです。

"映画こそが最先端のタイムマシンである"
ピカ!…稲妻が鳴ったとたん、
銀幕の世界にタイムリープした3人の青年、
時をかける少女?"希子"を守るため、
戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争、
そして原爆投下前夜の広島と駆け巡り、
私たちも彼等とともに旅をする。
♪ウソから出たマコト~、映画と現実がごちゃまぜの3時間!
映像の魔術師の最後の魔法にかけられて、レトロなのにモダン、美しく醜く、鮮やかに軽やかに♫
映画はサイレントからトーキーへ、モノクロからカラーへ移り変わり、
ミュージカル、アクション、コメディ…、
なんでもござれ~
歌は世につれ、世は歌につれ、
開けてビックリ玉手箱、
大林ファンタ"爺"のワンダーランドにゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん♪

凄まじいものを観た、、、
なんという熱量!!!
なんだか圧倒されて、涙ボロボロ感無量。。
これは映画館で観たかった。
監督の遺言とも言うべきメッセージを全身で浴びる。
映画も弾丸だ!

戦後76年、いずれ戦争を知らない世代だけとなり、誰が戦争を語り継ぐのか。
監督は観客に希望を託した。
"エンドマークの未来にはハッピーがある"
この映画にはエンドマークがない。
ハッピーエンドにするのは私たちだ。
私たちと一緒に、ほら、ほら、ほーらー♪
えーこ

えーこ