七瀬

ホワイト・ストームの七瀬のレビュー・感想・評価

ホワイト・ストーム(2019年製作の映画)
4.5
新文芸坐のアンディ・ラウ特集で鑑賞。

予告編見てかなり気になっていたので楽しみにしていたんだが、期待を大きく越えてきた。

この映画、ティン(アンディ)VSフォン(ルイス・クー)という単純な構図じゃなくて、その間にどちらの味方でもないラム刑事(ミウ・キウワイ)が圧倒的な「正義」として存在しているのが良いんだよな。

彼がいることで、正義と悪を両方兼ね備えているティンが自分の立場をブレさせても物語中の正義が消えてなくならないので。

で、暴走しはじめるティンに「俺を信じろ」って言えるラム刑事のかっこよさと言ったら。。。

「バーニングダウン」見た時も思ったけど、アンディは自分の信念を貫くために周りが見えなくなって暴走し始める役が凄い似合うような気がする。
今回のキャラはいわゆる闇堕ちしてるわけじゃないんだけど、これも一種の闇堕ちだろと思ったり。

わりと最初から善と悪がはっきり分かれたまま物語は進むけど、最後の最後でフォンが意味深な言葉を残して終わるのが変な余韻を残していて好きです。
そしてラム刑事が無言で空(くう)を拳銃で撃つのも、彼の持つ信念だけは一貫してブレないことの表れのようで良かった。

ラム刑事、好きだなあ。

とりあえず気になったのは、香港が麻薬大国すぎて、これ地元の人達は共感しながら見れるのだろうか……というところなんだけど、
まあ日本でも少し前に脱法ハーブが社会現象化したし、それと同じだと考えたらいいのかな。

まあとにかく、近年の香港アクションの中でもかなり好きな作品で大満足でした。
楽しかったな〜〜
七瀬

七瀬