「ウルトラマン」という作品、さらにはその存在に対するベストアンサー。最高だった。
とにかく音楽・音が素晴らしい。
円谷特撮で育った人間にとっては、耳を楽しませる映画として究極形では。
斎藤工があるとき言っていたが「映画館は音で映像を楽しむ場所」という言葉が蘇った。
画ももちろん素晴らしい。色味がもう……。
「シン」シリーズらしさも円谷特撮らしさも全開である。大真面目がゆえに滑稽に見えてしまうシーンもいくつかあって大変満足。
クライマックスで「ウルトラマン」と言えばのあの画が出てくるのは……感極まって泣きそうになった。
ストーリーも言わずもがな。
作品性として「シン・ゴジラ」でやりたかったこととは明確に別路線の作品。
だからこその「空想特撮映画」、ウルトラマンをこの上なく愛する人たちが作り上げた新たなウルトラマン像、それを描き切った熱量を存分に知る。
オープニング・ロゴの時点で上がり切っていた期待値を優に超えてきた。ウルトラマンを好きで本当に良かった。
庵野秀明の打ち出す「シン」、これまでは"新"であり、"真"であり、"神"の印象を受けていた。
しかしながら今回は"信"や"親"もあった。空想特撮ヒーローだもの、そうでなくちゃ。
「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」
ゾフィーのセリフであり、本作のキャッチコピーであるこの言葉に全て集約されていた。
大傑作でした。
