slow

彼女は陽光の下で長い時を過ごしたのslowのレビュー・感想・評価

4.5
全く静かな映画だった。
影はまるでフレームのようにそこに存在し、陽光の、人物の白を印象的に浮かび上がらせる。それがガレルのモノクロであり、一歩間違えばただの独りよがりとも取られかねない映像の羅列が、光と闇の世界で生まれては消えて行く。
時折訪れる無音状態。それはあたかもドキュメンタリーのようだが、モノローグやナレーションは差し込まれない心の告白の時間。
人間の余白には記号に置き換えられないものもあるんだ。そこにドラマチックは見当たらず、ただ世界は重力に従った。
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