Filmarksさん試写会にて
ありがとうございます。
まず 余韻か残る作品です。
一人息子を亡くした母親が主人公で
｢おもかげ｣という邦題。
このタイトルから 内容はある程度 想像できるかと思います。
試写会後に監督へのインタビューを設けてくださり
その中のひとりの女性の質問。
｢なぜラストをふたりの情愛に持っていったのですか？｣
わたしは こうは思わなかったのです。
エレナは最後まで母性の愛だった。
見る者によって 解釈が変わる作品です。
ジャンの家に乗り込んでしまった時も
彼が家族から逃げた時も
母親の目線で ただただ彼が心配でたまらない心が勝っているのです。
彼の恋心を知り 揺らぐ心情も見えるけれども
彼女は終始母の愛であったように感じます。
しかし それは傍から見れば
未成年との恋に見えてしまう。。
息子を失い 灰色の海の景色から
ジャンと出会った事で きらきらと輝く海へと変化していく。
それは 彼女の過去の破壊が浄化されていくように。
わたしが疑問に思ったのは
なぜエレナは 息子の不幸を思い出す海辺で10年も暮らしていたのか？
ジャンとは 出会わなかった方が良かったのではないか？
とも思ったのですが
息子に似た彼ときちんと決別できた事で
過去の様々な思いにも 彼女はさよならができたのですね。
美しすぎて せつない
大変｢おもむき｣のある作品でした。
