リョウ

ベイビーティースのリョウのレビュー・感想・評価

ベイビーティース(2019年製作の映画)
1.9
不治の病におかされた少女の初恋物語。何年か前の「きっと星のせいじゃない」や「永遠の僕たち」のような名作と違う点は何か。
恋する男がイケメンであったりナイスガイであったりもしくは心に闇を抱えていたりするわけでもない。
主人公ミラが恋したのはどっからどうみてもヤク中ホームレスの汚ならしい青年モーゼスだったのだ。
冒頭鼻血を出す主人公に無理やり自分の汚いシャツを突っ込む時点でもう無理!衛生上どうなの??
しかも野郎のナマ足など見たくないのにこのモーゼス青年ほとんど半ズボンで出てくるのだ。もう勘弁してくれ。
反抗期からか少しグレてみたかったのかわからないが何故かこのモーゼスを好きになってしまったミラ。しかもいきなり両親に紹介してしまう。当然両親も良い顔しません。こんな奴に大切な娘は預けられんと狼狽するものの最終的には娘の幸せを願ってモーゼス青年と付き合うことを公認してしまう。
そんなモーゼス青年はミラの家から薬を盗んだり平気と他の女とキスしたりとやりたい放題。
当然何度もミラは別れようとするものの恋とは恐ろしい。もはやモーゼス青年が救いようも無い位の廃人とわかりつつも結局元サヤに戻ってしまうのであった。
そしてこの映画のもうひとつのキモが何とミラの母親も実は精神的にイカれていたということ。そしてその母親のセラピストである父親もどこか頭のネジが外れている人間だ。何度も家族ゲンカがおこるのだが当然まともな会話なんて誰も出来ない。まあそこがリアリティあると言えばあるのだが観ていて少しイライラする。
嫌な点ばかり書いてしまったが途中何度か出てくる美しい愛の描写やプロムの衣装を着てみたりと微笑ましいシーンもいくつか用意されている。
そしてイカれながらもちゃんとミラを大事に思い側で支えている両親の愛の深さには感動させられる。
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