復刻版クレイマー、クレイマー。
二人が選んだ一つの道をもう一度二本に
戻す過程を描いた作品。
ストーリーは単純で互いに演劇の世界に
生きる二人が結婚した。妻は映画スターの
道を変えて夫の舞台監督に影響されて、
舞台へ。しかし、自分の思い描いた道では
ないように思い離婚を切り出す。
離婚調停中に垣間見える、揺るがない二人の
時間がところどころ出てくる。
優柔不断な夫がランチを決められず、妻が
決めるシーン。クレイマー、クレイマーの
裁判中に顔に何かついてるよって教える
シーンが思い出される。おもしろい。
考え深いと思うのは、二人がそれぞれ
選んだ人生だということを互いに気付いて
いるんだけれど、うまく伝えられない。
そして互いにやりたいことが違ってきた
ときに、どうするのか?ということ。
人生の選択に制限がでてくる。でも、それは
自ら選択した責任があり、それから逃れ
られないこと。
そして、あの迷いのなかったころに、戻り
たいと思っても、戻ることはできないこと。
単純なストーリーだが人生での大切な
ものがつまっていて、素晴らしい作品。
台詞や物語、二人の素晴らしい演技が
この話を成立させているのだと思う。