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バーナデット ママは行方不明のkalindaのレビュー・感想・評価

3.9
“誰かを完全に知ることはできなくても、
知ろうとすることはできる“


美しい、クール、完璧、高貴、
ケイト・ブランシェットに
抱いていたイメージ。
今作で新たな一面を知れた。
子供を大切に思う専業主婦であり母親。
娘のビーと優しく微笑みながら話し、
名曲を熱唱しながらの運転姿が新鮮。


かつては天才建築家として活躍していた
バーナデット。
人との関わりが少し得意ではなく、
今の生き方に自分でも戸惑っている。

ビーとバーナデットの関係性が
とても良いなぁ。
信頼関係があり強い繋がり。

ビーをどれだけ大切に思っているか
涙ながらに語るバーナデット。
その気持ち、わかるなぁ。
バーナデットからの教えが
ビーにちゃんと伝わっているのも嬉しいことやね。

子育てに対する思いは人それぞれ。
一生懸命に向き合えば
幸せなこともたくさんある。
happyが増える。
自分でも意識しないうちに
自分自身を見失いそうになる時もある。


前半はほんわかゆったり、
後半からは壮大な景色もあり、
ストーリーが大きく動き出す。
グリーンバックではなく、
実際の氷山は圧巻のスケール。

コメディジャンルになっているけれど
ヒューマンストーリーかな。
ええ話やね。

自分が自分でいられるように、
好きなことを
ちょこっとだけでも
していけたらええなぁ。

突き放すのではなく、
そっと寄り添う。

生きづらさを感じたことがある人
(私も含め)が、
ほんの少しだけでも
顔を上げて前に進めるような
そんな優しい作品でしたね。
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