李

Redの李のレビュー・感想・評価

Red(2020年製作の映画)
4.2
事を穏便に運ぶために自分の意思を押し殺す結婚生活、再会した心の底から愛した昔の恋人。自分が本当に生きていると実感できるもの、彼女にはそれが彼だった。人生を語る映画の観すぎなのか、抗えない運命って多分あると思うし、不貞行為を肯定する気はないけれど、彼女が彼に再会してこういう道を辿ることも、決められたは言い過ぎだけれど、そういうひとつの人生の形だったんだろうなって思う。この道がきっと間違いなんだろうって自分が1番よく分かっているけれど、選ぶ。堰を切ったように溢れた感情を抱きしめ、捨て身で愛したからには戻れない。正しいことだけを選べたら、この世から悩みはたくさん減るはず。自分も自分の人生を生きられているのか、とてつもなく不安になった。正しくないけれど正しい人生、正しいけれど正しくない人生、どちらが正解なんだろう。塔子が里芋を好きだということを覚えていて自分の里芋をあげる鞍田さんの姿も、世界で1番近い距離にいるのに哀しい顔をするセックスも、降りしきる雪の中会話のない静かな車内の中でラジオから流れる ♪Hallelujahも、すべてが美しくて私は好きだった。

久々に邦画観ようと思って前から観たかったこれにしたんだ~ 深夜にぴったりだった。俳優さんの演技みんな良くて、でもやっぱり特に、この作品の妻夫木くんが超好きだった。誰かの肩に凭れてなきゃ生きていけなさそうなのに1人で立ってて、絞り出すように塔子に話しかけて。あと半端じゃない色気。結婚相手ですって実家に連れて行ったら親御さんが100%喜ぶ好青年みたいなイメージ強かったからびっくりしちゃった。セリフ少なめで、音楽と俳優さんの表情で察せよ(圧)みたいな感じも大好きだったな、、私不貞行為ものが好き説浮上してて(国内ドラマで1,2位争うくらい好きなのも、邦画で1,2位争うくらい好きなのも、どっちも主人公不倫してる)それもあるのかもしれないけど、心の機微に胸を根こそぎ抉られるしんどさも、数日引きずる苦しい余韻も、この作品はどっちも満たしてて好きだなぁ。 ♪Hallelujahはちょっと好みすぎて即プレイリストに入れたんだけど、予告とエンドクレジットで使われてる物悲しいピアノの音色も同じくらい好きすぎて、サントラ発売して欲しかったな~っていう。あ、それと、作品観て「この人好き…」ってなってしばらくその俳優さんブーム来ちゃうのって、私はやっぱり邦画とか国内ドラマなんだよな~日本人だな~って思った😄原作買うもんね^^

"人間ってどれだけ惚れて死んでいけるかじゃないの?"
李