李

ブレスレスの李のレビュー・感想・評価

ブレスレス(2019年製作の映画)
3.7
妻に会うためSMに通う異色の純愛映画。自分が過去の昇華がおそろしく下手なため、過去に囚われる質の主人公は共感できない部分があっても味方目線になってしまう。大切なことに目が向く状態ではなく、逢瀬のため死をも厭わないくらいに首絞めに執着する姿に、こんなにも心身がボロボロになるくらいに彼にとってかけがえのない存在だったんだなと悲しくなる。ずっと空虚で寂しい。同時に、絶望の縁から少しでも踏み出す勇気をくれる存在に出会えることはとても幸運なことで、人それぞれ好きに生きての人生だなと。苦手なジャンルの痛い描写が多かったのがネックだけど、水中のシーンが夢幻的でとても美しかったのでトントン。ネオン煌めく夜の世界も心地よい現実逃避感。こういう変な映画に詳しくなりたい!(で、なんで歯を抜いた?)
李