オリジナル脚本で今泉監督節炸裂の下北沢恋愛群像劇。劇伴は軽く添える程度で感情煽ったりせず、ちょっと長いとは思うが観飽きない。無駄とも思える会話の連なりと、日常に根差した可笑しな状況作りが相変わらず上手い。パトロール中の警官が語り出す「知らんわ！」って感じの身の上話が繰り返された時には思わず吹いちゃった。伏線回収して関係者達が見事に繋がるクライマックスの気持ち良いカオス展開に大ウケ。キャスティングがとにかく見事である。若葉竜也はやっぱり上手い。熱量抑えたごく自然な演技でキャラそのもの。女優さんたちもみんなその辺にいそうな佇まいがリアルで可愛い。自主制作映画の出演エピソードが、練習模様から可笑しくてしょうがなかった。素人さんはカメラが気になって見ちゃってNG出しちゃうんだよね。うんうん分かる。下手なふりが上手い。当日着て行った自前の服と用意された衣装がほぼ同じで戸惑ったりの楽屋の様子も可笑しかった。出来上がった短編作品より、主人公の撮影テイクの方が面白そう。
