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再会の夏のkojikojiのレビュー・感想・評価

再会の夏(2018年製作の映画)
3.8
フランスの短編小説を読むような味わいの良作。
こんな映画が観たかった。まさに、そのものズバリだった。

監督は「画家と庭師とカンパーニュ」のジャン・ベッケル
フランスの作家ジャン=クリストフ・リュファンのベストセラー歴史小説を映画化。

1919年、第一次世界大戦終戦後のフランスの片田舎。
ジャック・モルラック(ニコラ・デュボシェル)が、人気のない留置所で頑なに黙秘を続けている。
彼を軍法会議にかけるか否かを決めるためパリからやって来た軍判事ランティエ少佐(フランソワ・クリュゼ)は、留置所の外で吠え続ける1匹の犬に関心を寄せる。
モルラックについて調べるうち、学識豊かな恋人ヴァランティーヌの存在が浮かび上がる。

「最強のふたり」のフランソワ・クリュゼがランティエ少佐を、「ダリダ あまい囁き」のニコラ・デュボシェルがモルラックを演じる。
 
モルラックは、自分がもらった勲章を聴衆の前で犬に渡すという奇行に走り逮捕されていた。
その奇行にはどんな意味があるのか、そして恋人ヴァランティーヌに会おうとしないのは何故か。

ある意味サスペンス仕立てになっているので、そこをじっくり味わって観てほしい。
必ずこころ温まるはず。

「最強のふたり」で実に味のある演技を見せたフランソワ・クリュゼが、この映画でも人情味溢れる軍判事の演じ、この問題を紐解いていく。

もう一人の主人公は「犬」。
どうやってこのシーンを撮ったのだろうと感心する。そんな犬の演技に驚く。

題材は第一次世界大戦も絡む史実らしいが、心温まる良作だ。

なお、ジャケ写は全く関係ないとはいいませんが、映画の内容からはかなり外れています。

2023.03.21視聴2023124
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