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大菩薩峠のkojikojiのレビュー・感想・評価

大菩薩峠(1957年製作の映画)
3.5
No.1659 監督は内田吐夢 
1957年東映作品。大菩薩峠第1作

我が家では、片岡千恵蔵といったら、「何を言っているかわからない役者」という評価で、誰もあまり好んでいなかったようです。そのため、彼の主演映画は「いれずみ判官」(つまり遠山の金四郎ですね)シリーズぐらいしか観てません。
そういうこともあってか、この映画は観たことがありません。

「大菩薩峠」と言えば、市川雷蔵です。私も、かすかに完結編を観に行った記憶があります。

しかし実は、映画的には内田吐夢作品が評価が高く、こちらを支持する人が多いことは知っていました。
今回、フォロワーの「るい」さんのレビューを読んで観たくなりました。

 確かに雷蔵版に比べると、周りの登場人物がいきいきしている気がして、いいですね。特に「裏宿の七兵衛」を演じる月形龍之介がいいと思いました。
彼もこんな身軽な演技ができるんだと感心しました。(もちろん、黒澤監督姿三四郎の檜垣役をこなしているのは知ってます)
月形龍之介と言ったら、なんと言っても「水戸黄門」ですが、私には新吾十番勝負の「武田一真」役が最高だったと思ってます。

それにこの映画のもう一人の主人公の宇津木兵馬も、雷蔵版の本郷功次郎に比べると圧倒的にこちらの錦之助がいいと思いました。お浜役も中村玉緒より長谷川裕見子の方が安定した演技をしてます。

机龍之介に関しては、やっぱり雷蔵の美しさを知ってますから、こればっかりは片岡千恵蔵と言えども、見劣りします。特に龍之介が亡霊に怯え、簾を切る最高の見せ場のシーン(ジャケ写もこれです)は雷蔵の方が圧倒的にいいと思いました。
しかし、千恵蔵も存在感はありましたし、よく演じてはいると思いました。

ぶつ切りの演出は時間の制約があったんでしょうか、これだけは最後まで気になりました。
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