舞台挨拶にて。
内容はシンプルな形で、一人の女性が挫折してから復帰するまでの物語。
特別な捻りはなかったけど、その素直さが良かったかな。
夢に破れ、地下アイドルに落ちぶれているものの、それなりに何とかやっている場面からストーリーが始まる。
その後、ある事件がきっかけとなり田舎へ逃げる様に帰る。
序盤は地下アイドルに限らずアイドルという職業の難しさと他者に依存してしまう怖さが如実に表現されていた。
人生で道に躓いたとき、助けてくれるのは家族or昔からの友人であるパターンが実際にも多いはず。
逆に重荷となるケースも多々存在するが、主人公の周りの人達は良い人すぎるほどの善人しかおらず、そのお陰もあり、ちゃんと立ち直れていく過程が描かれていた。
なお、私は事前に主役のEMILYを存じ上げなかったので、当然HONEBONEの存在も知らない。
ただ、舞台挨拶時のライブ披露にてボーカルEMILYの圧倒的な歌唱力に聴き惚れ、主演起用も納得。
ステージ上でも一際光輝く存在感を放っていたため、持って生まれたスター性の持ち主なのだろう。
映画自体この声と歌唱力ありきで成り立っていると言っても過言ではないタイプの作品。
この事実こそ、監督がEMILYの実力をそれだけ評価・信頼している証だろう。
この歌が駄目だったならばその時点で酷評は免れないというより、話にならない。
そう考えると、ある種心中覚悟の強い信頼関係で作り上げられている作品とも言える。
また、制作当時の話をしている最中、監督が裏方で必死に支えてくれていたスタッフ達の事を鑑み思わず涙ぐんだ。その時は、見てるコチラ側も目頭が熱くなった。
コロナ禍の影響による公開延期で上映自体危ぶまれていた様なので、努力の結晶が公開という形で報われ本当に良かったと思う。