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コリーニ事件のyuzameのレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
3.0
こんなラストになるなんて。。
ていう映画だった。

両手を上げて
断罪できる悪人は出てこない。
悪いのは、
「歪められた法律」という結末。
「謀殺・計画的か」「故殺」か
屁理屈で解釈をねじ曲げる。
一度施行してしまえば
利用できるのか法律。

前半部、ライネンがマイヤー家に
どんだけ良くしてもらってたかを
かなり長い時間をかけて描いてた。
だから殺された祖父マイヤーも
価値のある人間だったって、
憎めなかった。

「時代」により変わる価値観
「世代」によって
罪の重さ、または罪そのものが変わる。

祖父マイヤーは
間違った価値観を吸って育った。
後年、良い人だったのは、
後悔してたからなのかも

マッティンガーはドイツが
「罪」を認めたり、争ったり
価値観がグラグラと揺らぐ時代を
弁護士として生きてきた

間違いを犯した国。
国としての威厳を
どうやって保つんだって言う。
東ドイツは、何となく
雰囲気を感じとる事ができるけど
戦後の西ドイツってどうだったんだろう?
ボンで決められた法律だったな。
ドレーアー法。
翻って、日本は?

法律が裁いてくれないのなら
自分で手を下すしか
ないじゃないか!って言う。
でも、彼の子供達には
罪は無いって思ってたから、
黙って処罰されようとしたんだろうな。

ラストの父と息子の幻が
彼らは普通に生きてて良かった
人達なのに、何で?
って突きつけられた様な気がした。
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