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ロストガールズのGreenTのレビュー・感想・評価

ロストガールズ(2020年製作の映画)
2.0
行方不明になった娘を探す母親とその家族を描く、王道サスペンス・ミステリーです。

メアリー・ギルバート(エイミー・ライアン)は、3人の娘を持つシングルマザー。仕事を2つ掛け持ちしているが、生活もままならない。自立した24歳の長女シャナンは、今月もお金が足りない母親にお金を持っていくと電話で励ます。

シャナンが帰ってくると大喜びの母親だが、次女シェラと末娘サラは、母親のシャナン贔屓があまり好きでない様子。いずれにしろシャナンはその夜現れず、心配した家族は警察に通報する。

しかし、警察は全然取り合ってくれないんです。シャナンが売春をしていたらしいんですが、売春婦の行方不明はちゃんと調べない様子。シャナンの携帯電話の記録に、行方不明になる直前に911(110番)しているのに、警察は1時間あまりも現場に駆けつけなかった。

ガブリエル・バーンがリチャード・ドーマンという、引退間近の「警察のコミッショナー」って役を演じているんですけど、コミッショナーの役割がイマイチピンと来なくて調べたら、警視総監?一番偉い人らしい。

シャナンが行方不明になった地域で10人から16人の死体が見つかり、殆どは売春婦で、連続殺人犯がいると断定され、「ロング・アイランド・シリアル・キラー」と名付けられるんだけど、シャナンの死体は出てこないので彼女の件は除外されたり、この地域が「Gated community」と言って、他者を入れない作りになっていて、多分、お金持ちが住んでいる地域なんだと思うんだけど、そのせいでどうも警察が犯人らしき人をかばっているというか、ちゃんと調べないのは癒着があるからなんじゃないかと匂わせる。

ここでもアメリカの格差の現実、シングルマザーなど貧しい人は、貧しいがゆえに仕事が見つからない、医療を受けられない、売春に流れてしまう、そういう人は行方不明になっても調べてもらえない、金持ちは容疑がかかっても逃れられる、のような構造が見え、しかもこれ実話に基づいているので、アメリカの格差も相当深刻だなあと思わされる。

なんですが、ストーリーの運びが単調だし、演技も撮影も面白味が全くない。事件の先行きが気になるので全部見たけれども、TVの刑事ドラマのクオリティだった。

最初は母親役に『ガラス』の精神科医を演じたサラ・ポールソンが配役されていたらしいが、結局有名どころはガブリエル・バーンくらいで、しかも全くヤル気なさそう。『ジョジョ・ラビット』でユダヤ人の女の子を演じたトーマサイン・マッケンジーが次女役で重要な役どころなんですが、モノトーンな演技で面白くない。末娘を演じたウーナ・ローレンスも、どっかで見たことあるなあ〜と思ったら、『サウスポー』でジェイク・ジレンホールの娘役を演じていた子だった。

一応ミステリー映画なので、ラストはコメント欄で!
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