すずき

デンジャー・クロース 極限着弾のすずきのレビュー・感想・評価

3.2
時はベトナム戦争、アメリカの友軍として戦争に参加したオーストラリア軍。
ハリー少佐率いるD中隊は、部隊を3つに分け哨戒任務に当たる。
だが小隊のひとつがベトコンの待ち伏せを受けてしまう。
ベトコン兵は予想よりも遥かに多い一個大隊で、度重なる波状攻撃に弾薬は切れ小隊は壊滅寸前。
彼らの最後の通信は、今この場所に味方ごと砲撃する「極限着弾(デンジャー・クロース)」の要請だった。
ハリー少佐は本部へと砲撃を要請。そして自分たちもまた、小隊の生き残りを救出する為、戦地へと赴く…

オーストラリア産のベトナム戦争映画。
アメリカ以外の国の目線から描いたベトナム戦争は初めてだけど、アメリカの友軍って事もあり、描写はあんまり変わらないな。

ベトコン兵達は死を恐れないのか、軍隊としての練度が低いのか、常に突撃を基本戦術とする。蛮族かよ!
対して数で劣るオーストラリア兵達は、密集して守りに徹する。
撤退も出来ぬ中、こちらも死を決した戦いに挑む彼らもまたサムライ!武士道とは死ぬ事と見つけたり!

迫撃砲の後方支援描写が豊富なのが物珍しかった。
半裸でムキムキの砲兵たちが、要請された座標に本部から前線まで大砲をブッ放す!
長距離の砲撃でもしっかり当てる、非常に仕事のできる頼りになる奴らでカッコいいモブ兵だ。

良くなかったのは、序盤中盤の3つの小隊の描き方。
キャラクターが多いけど、どのキャラがどの小隊なのか、小隊同士の位置関係もよく分からんうちに、誰か死んだり壊滅したりして、実はあんまり状況を飲み込めてない…
まあ、よく分からんでも全体の状況は何となく掴めるけどね。

笑ったのは、最後の戦いの前に婚約者の話をするラージ二等兵。
80~90年代の映画ならともかく、散々「死亡フラグwww」とネタにされた現代でそれをやるのは、もはや潔い。
ひょっとして、オーストラリアでは「死亡フラグあるあるネタ」って話題にされないのかな?それともワザと?