この映画、普段意識から外しているような事を、目の前に突き付けられた感じで、とても怖かった。神経質では生きづらいけれど、でも人の手で作り出された有害な物質で身体は汚染されているかもしれないということは、分かっておくべきだろうなと思った。
テフロン。その言葉は知ってはいたけれど、こんな大問題になっていたとは知らなかった。水も土も空気も汚染して、挙げ句嘘までついて売り続けたデュポン社。デュポン社が隠し続けた真実が余りに酷く衝撃的で、それを知った時のロブの身体を駆け巡ったであろう恐怖が、私の中にも浮かんだ。
強大な権力と資金力を持つ大企業相手に闘うことは生半可なことじゃない。それこそ時間もお金も体力も神経も、こんなにも磨り減らさなければならないのかと思うほど、訴えた側への風当たりが強すぎて、デュポン社の体質に辟易した。
何も事態が進展しない空白の時間にあったのは、減給に病気に死···。ただただ過ぎるだけの時間に、命より優先される利益とは何だろうか、と考えた。踏み越えてはならない一歩を人が踏み越えた時、それを止め正すのもまた人でしかない。今もなお闘い続けているロブさんの闘いが終わる日がくることを望みたいと思った。
#1_2022
