李

悪なき殺人の李のレビュー・感想・評価

悪なき殺人(2019年製作の映画)
4.1
ポスターとキャッチコピーに一目惚れ。学校から近めの劇場で上映していてラッキー!私は、運命とか三世の繋がりとか偶然とか、ひとがどうにも抗えない見えないものを可視化した映画が映画界で1番好きなので、この映画ももれなく良かった。しかもミステリーと来た!最高!

「愛し合っていれば何も起こらない」
「ないものを与えるのが愛、あるものを与えるのは快楽」
「人間は偶然には勝てない」

この3つのセリフにすべてが集約されてる。ちょっと無理矢理感が否めないところもあるけど、本当によく練られた脚本で、3人目から画面見入った。(1, 2人目は船漕いでしまったー💦最近映画館で寝すぎてる💦) ひとつひとつピースがハマっていくように明らかになっていく事件の全貌、、これ、本人たちは何も知らないのがとんでもなく恐ろしい。誰かが少しでも違う行動をしていたら… 偶然に勝てていたら… ありもしない未来を考えてしまう。登場人物みんな孤独で、報われない愛に縋って心を満たそうとしていて、でもその行動で逆に自分の心の隙間と虚無感に追い討ちをかけていて。導かれるような偶然の悪戯の中で顕になるそれにこっちまで辛くなって、そこがすごく好きだった。みんな根底は愛し愛されたかったんだよね、、悪"なき"ではないと思うけど(笑)それと、フランス映画感があんまりなくて見やすかったところもポイント高い!バベルとファーゴ混ぜた映画って海外誌が書いてたらしいから、その2本も観ようと思う🎶 殺人はあれだけど、自分も知らぬ間に偶然誰かの未来を左右する存在に加担しているのかもって考えるとすごく怖いし、実はもう巻き込まれてたりして、、(割と劇場人いたのに、私以外全員おじさんで笑ってしまった。やっぱり客層そうなるのか~いいね!)
李