コーディー

わたしの叔父さんのコーディーのレビュー・感想・評価

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)
4.4
叔父を放っとけないという感情が恩なのか必要とされる幸せか、何れにせよ一概にクリスの人生を縛ってるとは言えない。
慎ましい二人の世界と恋に夢に広がりを見せる外部との接触が彼女の選択肢、必需品を増やす。そんな変化と調和の板挟みになる心を情感豊かに見つめる凄く良い映画!

言葉交わさず淡々と綴られる冒頭数分。足の不自由な叔父の世話や酪農家としての日常に閉塞感を抱きつつも決まった作業の中にふと可笑しみを交え、叔父と姪の控えめだが悪くない関係性を印象付ける。なので共依存の危うさとはまた別の充足を感じたし、いつかを見据えた今が堪らなく尊い時間として映る。

外の世界との接点がテレビから流れるニュースぐらいという薄さによる隔り。不憫だな〜と思う反面、今のクリスが健全じゃないかと問われるとそれもわからない。ただ少なくともヘアアイロンを必需品だと思うに至った変化には意味があるwその辺の可笑しさ溢れる空気感や割と健気なヌテラ叔父さんも超好き。

2人は実際に叔父と姪の関係らしく、更に叔父さんは酪農家ってことで限りなくドキュメンタリーな空気感が出るのも当然やねwまたクリスの夢でもある獣医、演じたイェデ・スナゴーさんは俳優になる前は獣医さんやってたらしい。面白いな〜

てか北欧映画は当たりが多いな。本当に観て良かった。