スパイダーマンは仮面のヒーローだ。
サム・ライミ版でもマーク・ウェブ版でも
スパイダーマン／ピーター・パーカーという
仮面／素顔の狭間で
いつもいつも迷子になる。
彼は何者なのか。
答えは分かっている。
“親愛なる隣人”なんだ。
それが“彼”たる所以だ。
「敵を倒す」んじゃなくて、
「目の前の人を助ける」のがスパイダーマン。
彼が最後に帰る場所は始まりの地であるココ。
そんな彼が摩天楼でスイングして道を切り拓いてくれるから僕らは迷子にならずに済む。
隣人に手を差し伸べるスパイディのDNAは昔からのファンである僕らにも受け継がれている。
ありがとうスパイディ。
だから今度は僕らから親愛なる隣人に手を。
そういう想いが20年分詰まった映画だった。
ありがとう。作ってくれた人たち。
これぞ“スパイダーマン”だ。
この映画を作ったのは間違いなくスパイダーマンのファンだ。絶っっ対に。
ずっとずっと思っていたことを描いてくれてありがとう。
おかげでずっと嫌いだった『アメイジング・スパイダーマン』シリーズへの気持ちも救われた。
とうとうスパイディは現実世界の僕らにまで糸を伸ばしてくれた。
仮面のヒーロー。スパイダーマン。
いつもは彼が迷子の僕らを見つけてくれる。
そして正体を告げることなく去ってゆく。
でも今度は僕らが彼を見つけてみせる。
「期待しなければ失望しない」？
それを否定したのは貴方でしょう、ピーター。
目の前の人を救わずにはいられないのが親愛なる隣人でしょう。
貴方のせいで僕らはみんな道徳病に罹っている。
みんながみんな救われるべきだ。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』はスパイダーマン論として完璧な作品だけど、続編待ってます。
だってこれは終わりじゃなくて、
新生活の始まりでしょう？
