このレビューはネタバレを含みます
2023年の締めは余韻と余白と行間を読むブラザーフッド作品。育てられていったであろう肝心の2人の絆の生い立ちは頷けるほど読み取れなかったのは前半に寝落ちしたからですが、寝落ちするくらい自分が没入出来なかったとも言える。それでも見落としがちな日常の中の動きの積み重ねでもそれなりに伺える。
潤んだ瞳がなんとも愛らしく鼻を擦り寄せていた牝牛は囲われの身となり、その牝牛から授かった牛乳を頂戴した男達は追われの身となり、その時代その界隈で唯一無二の牛乳の当時の価値を思えばそれは因果応報とも言えるが、それはなんとも無情で不条理。きっと感度のいい方にはもっと沢山の示唆や意味を嗅ぎ取れるのでしょう。
観終わると日本公開の惹句やセンテンスが作品に合致してるとは思えなかった。
なんだか今日はめんたいロックと縁もあり、映画館への道すがら入った立ち食い蕎麦屋でモッズが流れ、映画が終わって電車に乗ってカバンに忍ばせといた陣内孝則の半生記アメイジンググレースを開けば牛乳泥棒なんてフレーズが目に留まったり。