マルメラ

ジャンゴ 繋がれざる者のマルメラのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
4.0

やっと観れた!!
そして、最高だった!!

まだ観てない方は観てください。
必見です。

この映画は完全なフィクションだし、エンターテイメントなんですが、黒人差別の実態を描いた貴重な作品なんです。
よく、韓国人の一部が日本は歴史をしっかり見ろ!と言いますが、米国人だって韓国人だって民族的な歴史の闇は存在していて、どの民族も直視してこなかったんです。
アメリカ映画で黒人差別の真実を描いた作品は数少ない。
自分が知る限り「マンディンゴ」「ジャンゴ 繋がれざる者」「それでも夜は明ける」の3作のみ。
これだけアメリカ映画がある中で、たったの3作!!!

こういうものなんです。
どんな国だろうと直視したくない歴史はある。
しかし、白人のタランティーノは黒人差別の歴史を直視し映像化した。
これだけで映画の出来なんてどうでも良くないですか?
タランティーノかっこいいっしょ!!!
(黒人奴隷を剣闘士のようにしたという記録はありませんが)
犬に奴隷をけしかけたり、タマを切り取ったり、etc...
これは実際にあったことです。

ただ、この映画で描き切れていないというか、タランティーノが意図的にカットした残酷な事実もあります。
それは黒人に子供を産ませて、それを売るんです。
エグい。。
これは「それでも夜は明ける」で描かれてますので、実際の史実に基づいた作品としては、そちらをどうぞ。
タランティーノは女性をレイプしたりといった、女性の性にまつわる虐待は意図的に省いたらしいです。
理由は紳士だからww

もう、ここまででこの映画のカッコよさは伝わったと思います。

役者陣も素晴らしい!!!
ジェイミー・フォックスの純粋な目。
強さの中に優しさを感じますね〜〜。

クリストフヴァルツ!!!
カッコいいよ。
あんたカッコいいよ。

デカプ。
あんた悪いやつだけど、イカすよ。
嫌いになれないよ。

あとは、細かいところでジョナ・ヒルが出ていたりします。

さて、自分としては全体的に高評価なんですが。
2点だけ!!!!

まず、デカプが出てくるまでが長い。
これはフォロワーさんでも「割と普通だった〜〜」っていう評価をされた方に多いような気がします。
原因はハッキリしていて、構成なんです。

主人公の目的は「愛する妻を助けること」。
そして、その最大の障害はデカプ。
つまり、このセットアップを映画の序盤で提示するのが普通なんです。
例を挙げると「ターミネーター」。
シュワちゃんが現れて、こいつが敵ですよ。最大の障害ですよ。
と示す。
その後、カイルリースが現れて、こいつが助けますよ。
これで観客はサラ・コナーがカイルリースの手を借りながら、シュワちゃんをやっつける話なんだな。となり、作品の方向性が理解できるんです。

この映画だと、サラ・コナーがジャンゴ。
それを手助けするカイル・リースがドクター。シュワちゃんがデカプです。

もうお分かりだと思うんですが、デカプの登場が遅いでしょ!!

変えるならば、冒頭20分くらいで、夫婦で奴隷として売られようとしているジャンゴと奥さん。
それを買いに来るデカプ。
ジャンゴの目の前で連れ去られる奥さん。
嘆くジャンゴ。
っていう回想を入れておくんです。

これで、映画の敵と目的が同時に提示できると思います。

そして、もう一点。
最後の銃撃戦からの、「あれ?捕まった?」からのラスト。
個人的には嫌いではなかったんですが。
長いなぁーと感じた人もいると思います。

これ問題は最大の敵が死んだのに続けるの?ってところだと思うんです。
また「ターミネーター」で例えると、シュワちゃんを殺したのに、追ってくる警察に捕まり、そいつらを殺してエンドロールっていう。
悪い言い方をすると、ダラダラ続けてるんです。
ターミネーター殺したら、そこで終わりでしょ!!!
あとは、スッと終わろうよっていう気にもなります。
まぁデカプの死が唐突にそしてスンナリ訪れすぎたっていうのも、ありますが。
あそこは個人的に好きなんです。
ドクターが自分の哲学を貫き通して、冗談めかしながら「我慢できなかった」と笑いながら死んでいく。
カッコいいじゃないですか。
そこからは無双でしょ!!!
「96時間の」リーアム・ニーソン張りに無双してくれればそれで良かったのに!!!

代案としては。
デカプ殺すまでは一緒。
そこから、今までのムカついてた奴を全員カッコよく殺しまくって、最後の最後にサミュエル・L・ジャクソンが奥さんを人質にする。
ジャンゴがサミュエルに銃を向けて、サミュエルは奥さんに銃を向けている。
ジャンゴ「俺を信じてるか?」
奥さん「私の夫よ。当たり前じゃない」
みたいなさ。
夫婦に戻った感動の会話をしてからの、ジャンゴがサミュエルの脳天にズドン!
カッコよく馬で走り去るジャンゴと奥さん。
それを見送る解放された奴隷達。
エンドロール。

どうでしょう?
これで良かった気がしなくもないんですが。

これなら2時間ちょいに短縮できますし、カタルシスも1つに集約できるように思うのですが。

まぁ、色々言いましたが、スコアを見てもお分かり頂ける通り、この映画大好きです。
タランティーノの中では、「パルプフィクション」と同等ぐらいに好きです。

音楽に関しては、よく分からないのでフォロワーさんのレビューで勉強させて頂きました(^^)
YouTubeでサントラ聞きまくってます。

オススメです!!!
マルメラ

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