このレビューはネタバレを含みます
めちゃくちゃちゃんとしてるやん
キラキラ系の恋愛映画だと思って見に行くと予想外のヘビーさに面食らう映画ではないだろうか。
さすが韓国映画のリメイクだけある。
そして堕ちるところまで堕ちた男がギリギリのところで再起をかけて戦うボクシングとしてもかなり見ごたえがあった。
横浜流星の肉体の説得力が素晴らしい。特に一瞬映る懸垂のシーンで映る背筋の美しさ。
またとあるシーンで見せる人殺しのような目つきも抜群だった。横浜流星は体のキレが全盛のうちにもっとアクション映画に出てほしいし、韓国映画のリメイクなら『アジョシ』などもいけるのではないか。
ずっとボサボサの髪型をしていたので、来る決戦に備えて横浜流星が頭を剃るような場面があると思っていたのだが、ちょっと拍子抜け。こういうジャンルでは一番盛り上がる部分なのに。
ただ、終盤のとある決戦シーンでのアクションは気合が入っており、見ごたえ抜群だった。
この映画がただのキラキラ恋愛映画でないのはその他のキャストにも現れていると思う。
特に主人公の塁のセコンド役のやべきょうすけとジムの会長役の田山涼成らの激渋メンツ、そして半グレ集団の町田啓太、奥野瑛太、般若らのリアルすぎる面々もさすが。
そうやって周りをリアルなメンツで固めているからこそ、メインの美男美女の恋愛も盛り上がる。
吉高由里子の盲目の演技も申し分ないし、二人が惹かれ合っていく描写も映画らしく控えめな演出で引き込まれた。
たしかにヒロインが盲目になったことと主人公の過去の過ちのつなげ方は無理矢理感すごいし、最後のすれ違いの連続もちょっとくどかったが、BTSの曲の力もあってなんだかんだ割と感動してしまった。
ずっと盲目だったのになぜヒロインは主人公の行き先が正確に把握できたのか、なぜ刺されただけで失語症になってるのか、色々謎だったけど