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フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めてのKUBOのレビュー・感想・評価

3.8
公開時に見逃していたのだが、評判に違わぬおもしろさだった。

イングランドの片田舎コーンウォールの小さな漁村の漁師たちの歌う伝統的な舟唄が、たまたまこの地に立ち寄った音楽関係者の目に留まり、CDデビュー&大ヒットしたという実話に基づくお話。

まず、漁師たちの歌が上手い! 野太い声の男性コーラスによるフォルクローレは、国は違えど、懐かしい郷愁を帯びて心に染みる。

また、コーンウォールの漁師たちと、エメット(よそ者)と呼ばれる都会人との対比、そのエメットのひとりだったダニーが、次第にこの漁師たちにシンパシーを感じるようになり、どんどん本気で彼らのデビューまで奔走する様も楽しい。

私のよく行く宮古島にも、島の人たちが歌い継いできた神歌を集めた「スケッチ・オブ・ミャーク」というCDがあるが(同名のドキュメンタリー映画もあります)、地域で歌い継がれてきた唄のチカラというものは、ポップスにはない力強さがありますね。

ダニーと村の紅一点オーウェンとの恋愛や、村唯一のパブの売却を巡る騒動なども、いい具合に脚本にまとまっており、よくできた音楽映画になってるけど、これ、どこまでが実話なんだろう?

漁師同士の会話で、海に沈むことを “Davy Jones Locker” って言ってたのを聞いて『パイレーツ・オブ・カリビアン』思い出した。

ポスターのビジュアルとかは地味でつまらなそうだけど、これはすごいおもしろいです。オススメ!
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