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雨月物語のtomtomcafeのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.0
上田秋成の「雨月物語」のうち、「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編をお互いに補完し合う形で1つのお話に見事にアレンジ。
戦国時代、田舎で貧しい暮らしをする陶芸工は、妻に反対されながらも一獲千金のために命がけで焼き物を売りに都会の市に行くのですが、謎の美女に魅入られてしまい帰れなくなる…、というお話。
2組の「身のほどの生活を望む妻」と「危険をおかしてでもよりよい生活を望む夫」の物語ですが、どちらの夫も大きな代償を払って、何事もない日常がしあわせだと気づきます。その過程が滑稽でもあり不気味なのでした。
また、カメラワークが独特で、特にラストのワンカットで表現した囲炉裏のシーンは、思わず見返したくなるくらい巧妙にできていました。
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