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バグノルド家の夏休みのGreenTのレビュー・感想・評価

バグノルド家の夏休み(2019年製作の映画)
3.0
すごいオフビートで最初は「?」って思ったけど、最後ほっこりした映画でした。

イギリスの、多分ロンドンの郊外?に住むダニエルは高校生くらい?ヘヴィメタが大好きでちょっと引き籠りっぽい。ダニエルのお母さんと離婚し、フロリダで再婚したお父さんが、夏休みにダニエルをフロリダに招待したみたいで、ダニエルはちょっと嬉しいんだけど、お父さんは突然電話してきて、妊娠している再婚相手が子供を産んでからにしようと言う。

お母さんが電話を受けて、それをダニエルに伝えると、ダニエルはそれが気に入らなくてお母さんに暴言を吐いて部屋に籠ってしまう。いや~お母さんに同情するなあ。

ダニエルも可哀想だけどね。ずーと死んだ目をしてて、髪の毛も洗わない。服装はメタリカのTシャツばかり。私も高校生の頃メタラーだったので、ダニエルの気持ちもわかるし、トシ取ったのでお母さんの気持ちもわかるし、やるせないなあ。

お母さんのスーは図書館員なんだよね~。どこまでも地味な人で、ダニエルが反抗的になるのも判らないではない。でもお母さんはダニエルを育てるために頑張っているのに、お父さんは若い新妻と再婚し、養育費に支払いが遅れているのに高い車を買ったりしている。

なのに、子供が当たるのはお母さんなんだよね~。

それにお母さんは、やっぱり彼氏とか欲しい。けど、息子はそういうの「気持ち悪い」とか言う。しかも自分の先生とお母さんが親しくするのはちょっと・・・みたいな。いや~、おかあさん辛いわ。

でもコメディなんですよ。淡々と進むので「大爆笑」ではないけど、何か所かゲラゲラ笑ったところがありました。ダニエルは楽器屋だかレコード屋で、バンドのメンバー募集をみつけ、その家まで行ってみるんだけど、勇気が出ない。親友のカイがノーテンキなヤツなので、ズカズカ練習しているガレージに入っていくんだけど、ダニエルは逃げてしまう。

なんだけど、蓋を開けて見たらこのリードシンガーを探しているバンド、10歳くらいの子供ばっかり!でもすっごい大人びてて面白い。

あと、スーととダニエルは、なんだかんだモメてる割には仲がいいんだよね。ダニエルがスーに辛辣な口をきいて、スーは傷つくんだけど、でもそれは甘えているんだ、愛情の裏返しだ、って分かっているみたいなところがほほえましい。

最初は、ダニエルの気持ちもわかるけど、「やっぱ子供いなくて良かった。いい子だとは思うけど、高校生の男の子と上手くやっていけるとは思えない」って思いながら観ていたけど、最後は「いい家族じゃん!」って思った。
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