オザキ

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のオザキのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

帰宅した父に「自己犠牲の話?」と聞かれて「違うんだよな…己を犠牲にしてはいけないと分かっている男がそれでも未来に託す物語なんだよな…」と返した鬼滅映画帰りのオタクのふせったーから引用です。

原作未読。
アニメだけ一周済み。
鬼滅ファンというほどでもない人間が、ツイッターやpixiv等で見かける姿で「あ〜、この人に"落ちる"んだろうな」となんとなく察していた男、煉獄杏寿郎。映画版鬼滅の刃、無限列車編。
観てきました。

マスクがぐちゃぐちゃになりました。
同行者の友だちに事前に「マスクの替え持ってったほうがいいから」てアドバイスもらっててよかった♪
よかった…よかったな……。
「いうて泣きはせんやろ」と括っていたタカ、元気?
元気少ないね。
人生において「タカを括っていい瞬間」なんてないんだよね、煉獄さん。

漫画読んでないので知らなかったんですよ上弦が来るなんて。
下弦消滅・列車崩壊時点で「え、なんとなく煉獄さん死亡編だとおもってたけどワンチャンセーフなんか?!」てぬか喜びしました。
あとで同行者にそれを言ったら「アニオリで生存ルートやと思った?」て煽られました。思ったッッッッ、、、、、思いたかったッッッッッッッッ、、、、、、、
アカザ(漢字分かんないですまた調べます)はいい鬼だね。強さに素直で。強さを愛してて。強さに誠実で。
でも煉獄さんはダメだよ。
煉獄さんはこれからずっと必要な人。
アカザ自身が言っていたようにもっと強くなってもっと輝く人だったんだよ。
でも煉獄さん自身は引かなかったね。
もちろん200人の人間と傷を負った後進たちの前で引くわけには行かなかったよね。
でも、煉獄さんは「引けない」のではなく「引かない」男だった。
自己犠牲に見えるそれは、しかし後ろに炭治郎たちがいるおかげで全く違う様相を呈していた。
煉獄さん自身、自分が「ここで死んでいいような人間」ではないと分かってたでしょう。己の強さを知るからこそ、己の死がどれほど鬼殺隊に影響を与えるかも分かってたでしょう。
それでも命を賭したのは、自己犠牲なんかじゃない。
善逸が、伊之助が、そして炭治郎がいたから。
『人より強い自分が果たすべき責務』を受け継ぐ子らの存在が在ったから。
未来に、炭治郎たちに託せると思ったからなんですよね。
だから煉獄さんの行ったことは確かな意思と遺志と覚悟の継承であって自己犠牲ではない。
彼は誰も、自分をも犠牲にしなかった。
なんて強い人なんだろう。
そんな彼が、炭治郎の前で膝をつき、静かに満足気な笑顔を浮かべるシーンでもう。もう。
心が叫んでた。
「『答えは得た」顔すんじゃねーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」(同じユーフォだね)
個人的な話で恐縮なんですが、私はくだんの「答えは得た」男に執着してるので、煉獄さんのあの笑顔は映画館じゃなきゃぶっ倒れてた。泣くとか越えてた。泣いてたけど。
そして母上に見守られて、破顔して、未来を信じて逝った。
ありきたりな言葉だけど、なんて強く清らかで美しい人だったんだろう。
己を信じ、子らを、炭治郎たちを、未来を信じてこの世を去った、炎。
鬼滅の刃、無限列車編。
ありがとうございました。

LiSAさんの「炎」の歌詞はエヴァQの桜流しに匹敵するやつですね。映画本編と補完し合う重要なファクター。
出会って、繋がって、そして未来のために手を離した彼らの悲しみと覚悟の鎮魂歌。
ぜひ https://youtu.be/4Q9DWZLaY2U で聴いて欲しいです。かじゆきも歌詞に関わってるので脳の中枢に効きます。
最後のLiSAさんの想いも含めてぜひ。
オザキ

オザキ