前科により、神父になれない事を知りながら、聖職者を夢見る青年ダニエル。
閉鎖的な村で過去を隠し、誰もが尊敬し 愛してくれる、司祭という役に溺れていく。
彼の表情、言葉、慈愛、どれが本当の姿なのか、何を信じればいいかわからない。
目に映るもの全てが嘘で、全てが真実の様だ。
人間の本質、善悪、宗教の穴。
何が善い行いで、何が正義なのか、それって誰が正解だと決めるんだろう。
司祭だと嘘を吐いたとはいえ、双方の遺族に寄り添い、純粋に赦しに導こうとしたダニエルの行いは、間違いなのか。
反対に信心深く善い行いをする村人たちは、「汝の隣人を愛せよ」の教えを守って暮らしているのか。
信仰心、神の教え、事故の悲劇、憎しみ、黙秘、そして善悪。
そこに矛盾はないのかな、と考える事がたくさんだった。
こういった映画を観るときは、いつも自分に信仰心や宗教があれば、違う見方があったのかな、と思ってしまいます。
