白金

聖なる犯罪者の白金のレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
4.0
キリスト教教義への理解が無ければ伏線に気付けない作品。
伏線に気付けないとなれば、評価が二分する作品。

演出の仕方に注目したいところだが、この話の極めて重要なポイントとしてダニエルは敬虔な信者であるということ。

元犯罪者が闇に覆われた不穏な街に救世主として現れる。

自分に対する後悔、あるいは自分が示された罪への赦しと重ね合わせながら、まるで自分を労わるように真に他者へ寄り添い、人々の信頼を勝ち得ていく。

特に、村人の激しい反対の中で自分と全く同じ罪(過失致死)によって苦しんでいる者の救済のために特に力を入れ、その者への赦しを含意する葬儀を行う。

原題にある通り、彼は自身が聖体となり、自身を差し出して罪の代価を支払い、真の意味で彼は罪の償いをし、町民たちの救世主となる。
(加害者側も被害者側も、司祭の家族も納得する形で司祭の話を聞く)

矯正施設に逆戻りさせて終わらせるシーン 。しかも、出所していたかつての仲間も同じく出戻りしているという構図に唯一疑問が残る。

話の全体性を考えると、矯正施設は名ばかり、真の意味で罪の償いにはならないというメッセージが込められているのか、素直に裏切り者のユダを暗喩させたのか 解釈は難しい。
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