NinaSinnerman

聖なる犯罪者のNinaSinnermanのレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
3.7
ずっと気になってたけどやっと観た。
ありそでなさそでホントにあった、なんとコレ実話ベースらしい。

テーマはタイトル通り、正義と秩序の意外な矛盾というか、モラルのなんたるかを問うような内容で、もちろん主役は殺人の罪を負った元囚人。
退廃的で暴力的な輩、優しげな青年、パワフルでエキセントリックな熱弁を振るう神父というかけ離れたキャラを一つの体に収めるというなかなかない役を演じた主演俳優、その目にやたらと引き込まれた。

結局答えのない問いであって、これを観てそれぞれが思うこと、それこそが各々の信心に近いような気がする。

人に人を裁くことはやっぱり出来ないのだろうし、デジタルなルールと過去のパーツの寄せ集めで裁くのではなく、千里眼の絶対者に「赦される」ことが出来ればと願うから人間は神を作り上げるのだろうと、そしてそれこそがダニエルが神の道に入りたかった所以なのだろうと解釈した。

人間て、難しいね。
誰も嘘をつかず欲もかかず、ごめんと謝れば誰もがミスを許す世界ならいいだけなんだけど、イブの林檎だのパンドラの箱だの、やたらと女を悪者にしつつ説かれてもな(笑)

人間て、ホント難しい、変な生き物だ。
NinaSinnerman

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