土平木艮

カサブランカの土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

カサブランカ(1942年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…1941年12月、フランス領モロッコの都市カサブランカ(フランスは親ドイツのヴィシー政権)。ドイツの侵略による戦災を逃れた欧州の人々は、ポルトガル経由でアメリカへの亡命を図ろうとするが、カサブランカで足止め→主人公リックは表向きは『政治に無関心、中立』だが、本来は『弱者の味方』。カサブランカで酒場カフェ・アメリカンを経営、店には多種多様な人が集まってくる→ドイツ将校シュトラッサー、警察署長ルノー達が店にやってくる→リック、密売人ウーガーテがドイツ将校を殺して入手した『通行証』を預かる。でもウーガーテはルノー達に逮捕される(後に死亡)→通行証を買う予定だったレジスタンスの指導者ラズロとその妻イルザが店を訪れる。→→【時の過ぎゆくままに】【君の瞳に乾杯】リックとイルザはかつてパリで恋仲だった。パリ陥落時、イルザに『捨てられて』以来の再会。リックは過去を引きずっている模様→→イルザは、リックと知り合う前にラズロと結婚していたが、ラズロが死んだと聞く。失意の中でリックと知り合い恋仲に。リックとパリを脱出するその日に、ラズロの生存を知らされ、已む無くリックの前から姿を消していた→(→リックとイルザの感情のもつれの為、話はすんなり進まず→)→【ブルガリア人とルーレット】【ラ・マルセイエーズ】→シュトラッサーにより、リックの店は営業停止→ラズロがレジスタンスの会合に出かけた隙に、イルザはリックを訪ねる。通行証を譲れと銃を向けるが撃てないイルザ→ラズロが店にやってくる。イルザを帰した後、ラズロと話し合うリック。リックを頼りになると認めた模様→ルノーを利用して、イルザとラズロを飛行機で逃す【俺たちには思い出のパリがある】→空港まで追いかけて来たシュトラッサーを、ルノーの眼前で射殺するリック。駆けつけたドイツ兵に『シュトラッサーが撃たれた。犯人を探せ』と指示するルノー。ルノーもレジスタンスの一員だった→飛び立つ飛行機、見送るリックとルノー。霧の中へ歩き出す2人。

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20数年振りに鑑賞。

若い頃に観た時とは、自分自身の『感じ方』が違う。

でも、名作には違いない。


リックの振る舞いから、ルノーが彼の人となりを知る→ルノーは実はレジスタンス側の人で、最後にそれが明らかになる→それまでの積み重ねがあるので、2人の友情が成立する…などの描き方が丁寧。


勿論、リックとイルザの心の動きも丁寧に描かれている。

リックの気持ち、イルザの気持ち…単純な表現では言い表せない。
人の気持ちなど、簡単に言葉や文章では表現できるものではないんだけど。

なので、感想も上手く表現出来ない。

単純に『泣けた』『笑えた』なんて表現できるものではないからこそ、『名作』なんだろうな…と思う。




初見時には全く気にもならなかった(むしろリックとイルザの関係の為には邪魔な存在でしかない)ラズロが、実は『英雄的な人』であるコトに初めて気付いた。

ラズロを主人公にした英雄物語的な作品にも出来そうだし、『その妻イルザ』の揺れ動く心情を描いた作品にも出来そう。
だけど、『英雄の妻に捨てられた元恋人』が主人公だから、味わい深いんだろうな…などと感じたりもした。


この作品の良さを表現するのには、私自身の語彙力が不足している模様。




先日観た『ラ・ラ・ランド』にしてもそうだけど、後の作品が多大な影響を受けている名作。



⚫︎若い頃に観た時とは感じ方が違うけど、『イングリッド・バーグマンは凄い美人だな』と言う感想だけは変わらなかった。


⚫︎『俺たちにはいつでも思い出のパリがある』の方が、『君の瞳に乾杯』よりも心に響いた。
土平木艮

土平木艮