TaichiShiraishi

フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話のTaichiShiraishiのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

史実の映画化といいつつここまでコッテコテn内容は久しぶりに見たかもしれない。メインキャストは実在の人物に似せる気など毛頭なく美男美女揃い、乗客たちも何やら濃いキャラが揃っている。パニック映画でグランドホテル形式にいろんな人物を出すのは確かに定番ではあるのだが、ここまで下手だと逆に新鮮。感じ悪く騒ぎ出すおっさん、奥さんがおびえだす冒頓とした老夫婦、親子連れ、事情を抱えたジジイ、訳ありっぽい美女、などなど。そしてお約束のようなパニックを起こす乗客たち。スタッフ側も新婚やら娘が待っているだのいろんなフラグを立ててくる。

機長は基本ずっとクールでそれを周りのクルーや管制官たちが迷いなく全力サポートしている。あまりにもみんながちゃんとしすぎていてちょっと疑問に思う部分もあるが、「実話だから」という印籠の前には何も言えない。

飛行機が晒される悪天候のCGなどはよくできているし、副操縦士がこくぴっどの外に体が出てしまうというショッキングさはやはり記憶に残る。
そしてそんな状況でもなんとか無事乗客たちを救う「フライト・キャプテン」。普通の乗り物パニックだったら自体が解決したらものの数分で終わるものだが、この映画は乗客たちが感謝→周りのクルーたちが称えあう→乗客たちがクルーたちに拍手→その後それぞれが家族のもとへ帰るなどなどの描写がまあ長い。腕時計をチラチラ見ていたが、事態が解決してからエンドロールまで20分近くあった。

胸やけしそうな感動の押し付けに正直疲れてしまう。これを見ると『ハドソン川の奇跡』がいかに考え抜かれたバランスの映画だったかよくわかる。

余談だが、特に本筋と関係なく機長がクルーたちに「共産党員はこの中にいるか」と聞く場面がありギョッとした。半分以上が共産党員だったがまさかそれを奇跡の生還劇と結び付けようとしているのか?

盛りだくさんな映画だけどいろいろとその分引っかかる映画でした。女優陣がみんな異常なくらい美人揃いなのでそこは楽しめます。
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