Yukiko

グリプスホルム城のYukikoのレビュー・感想・評価

グリプスホルム城(2000年製作の映画)
4.0
2019年12月11日
『グリプスホルム城』2000年ドイツ・スイス・オーストリア制作
監督、ザヴィアー・コラー。

ドイツのベルリン出身、ユダヤ人のジャーナリストである
クルト・トゥホルスキー、ドイツ社会への風刺にあふれた
作品を発表し、雑誌記者としてナチスを批判する。
1930年、スウェーデンに行き、恋人リディアと共に
グリプスホルム城にひと夏滞在する。
友人のパイロットと、歌手が訪れ共に過ごす。


映像が美しい。
出演人物達の服装やしぐさや立ち居振る舞いが美しく
オシャレ。
特にリディア役の女優さんのファッションがキマッテいる。

城の内装も素敵。庭も広くて整っている。
庭を囲むように、左右両脇に大きな倉庫のような建物が
並ぶのね。
倉庫に比べると、城自体はこじんまりとしているけれど、
それでも美しい城だ。

苦言を一言。
キスシーンが多過ぎだゾ。


当時のドイツの情勢を考えると、ユダヤ人でナチスを批判
していたクルトの置かれている状況を憂える。
そこから逃避してグリプスホルム城にバカンスとして行った
わけだが、ひと夏の心身の安らぎ…
このお城での滞在が映画となっている。

けれど、滞在後、その後はどうなったんだろう?



クルトがグリプスホルム城滞在後の翌年にナチスが政権を
取る。
クルトの著作は焼かれ、ドイツの市民権は剥奪される。
滞在から3年後、スウェーデンのヨーテボリで睡眠薬の過剰
摂取により亡くなる。
自殺説もあるが、異議を唱える伝記作家もいる。
遺灰はグリプスホルム城近辺のコナラの木に埋葬されている。

グリプスホルム城の起源は1380年。
ボー・ヨンソン・グリープの要塞が建てられており、その
一族が代々所有していた。
1537年、スウェーデンがデンマークの支配から独立した
際に指揮を取った青年、グスタフ・ヴァーサがスウェーデン王
グスタフ1世となり、カトリックの修道会に寄贈されたこの
要塞を没収し公邸として建設した。
スウェーデン王室所有となっていた城は、18世紀初頭から
約60年間、監獄として使用された。
その後グスタフ3世が修繕をし、劇場も新たに造られる。
(以上、wikiから抜粋)
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