レール
また役所広司にまんまと泣かされてしまった。
しかも何回も。割とガチでエンドロールが終わっても席から立てないくらい涙は止まらなかった。今年のベストに入る1本に早くも出会ってしまった。
「真っ当」と呼ばれるレールに乗っかって生きてるわたしたちだって生きにくい、生きづらい、と考えてしまうことも少なくはないこの世の中は「過去にこのレールから外れてしまった」ことのある人間であれば尚更厄介だ。我慢して、辛抱して、それでも生きていかなきゃいけない。
まともに生きるって生きていて一番難しいのかもしれないな。自分の心にまっすぐ、正直に、ちょっとだけ衝動的ではあるけれど。どれも人間としては正解で、本来ならこうあるべきなんじゃないかとすら思う。だって誰かが暴力受けていたら、他人であろうと止めるべきでしょう。道徳の先生はそう言ってたよ。
今度こそカタギ。罪を償って悔いも全て取っ払って、やっと生きていこうって決めた人間を悪意としか考えられないような人間と社会が邪魔をする。数人でも優しいと感じられる人間が側にいて心から良かった。
もう出来ればそういった人は出てこないでくれ…と願っていたけれど「いらないものは排除する」そうやってこのレールで生きてきた私だからそう思ったんだろうな。
しんどいこともあるし、嫌なこともある、それでもいつだってこの世界の空は青くて広くて、そんでもって包み込んでくれるような気がする。ラストのタイトルバック、最高でした。あれを観てしまったら他の案が考えられない。
今年も仲野太賀さんにしてやられて映画館を後にする。三上さん、この世界も、見上げると空はめちゃくちゃ綺麗な青空だよ。
