みかぽん

すばらしき世界のみかぽんのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.0
最初は俯瞰で、ただ淡々と服役満了の主人公を目で追うだけ。しかし気がつけばこの三上さんを結構な熱量で見つめている自分にびっくり。
この不実な世の中への居場所作りに、私は日々、気持ちを押し殺してみたり、ときには気づいているくせに気づかないふりのやり過ごしをする。そんな日常を日々奮闘の三上さんに対比させ、露呈させる後ろめたさ… なのか、三上さんの正直さ、優しさ、不器用さに、いつしか愛しさ増し増しになってしまう😢。

ちょくちょく入るエピソードも、イチで十を語る要素になってて、色んな表情で笑わせてもらったし😅。
外車乗ってたアタマで日本車を運転すれば、そりゃウィンカーとワイパーを間違うわね。パニクれば水だって出しちゃうよね🤣🤣💦
えっ 親分の奥さんったら三上さんを誘惑しちゃうの😵?親分は重度の糖尿病って…はぁ奥さん、そっちですか😬😬💧
といちいちの芸の細かさにめちゃツボるしで、、
とにかく全編に散りばめられたエピソードが物語に厚みを与えていて凄いのなんの。


↓↓ここから先は、物語の結末が含まれています。ご容赦ください。


最後半、風雨の中、急いで外階段を駆け上がり、部屋の窓を開けて洗濯物を取り込む三上さん。
しかしタオル一枚だけが取り残され、それに不吉な予感を我々は確信し、制御なく風に揺らめく姿がまるで部屋の中の三上さんの状態を表すように思え、心が騒めきまくる😰😰。

ここまで繊細に描かれると、観る側も隅々までアンテナ張り巡らしてしまう。だからか、その後は普段以上に色々と引っかかってしまう😥😥。
最後、三上さんは大急ぎで両手で洗濯物を取り込んでいたのに、なんで又コスモスの花を握っているの?あれはもういっぺん握り直したの😵😵?
それから、我を忘れた感情で泣きすがろうとし、周囲が抑えにかかる津乃田君の展開も安直に思えてしまう。て言うか、日本映画の多くって、判を押したみたいな悲しがり方をさせません?なので都度、「あぁ、またか…」と白けてしまうワタシ。。
大袈裟や意地悪じゃなく、これって積み上がった繊細な流れがピタっと止まってしまう残念さ😞⤵︎⤵︎。

あれは何と言うか、韓国のお葬式で雇われるらしき泣き女みたいなんですもん。
衝撃を受けた、あるいは誰かを喪失した人間の行動って、果たして皆あんな風なの?私は違うと思うんだけどなぁ…😕。
みかぽん

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