じゃり

すばらしき世界のじゃりのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

すべての出演俳優と丁寧なつくりに見惚れた。

友人は「めちゃくちゃ泣いた」と言っていたが、私は、最後、ほっとしてしまった。

この物語がどこへ向かうのか。
観る側として、彼が更生を重ねるにつれ「ドラマ」を期待してしまう自分の残酷さと対峙した。

このまま更生して欲しい、だけどそんなに上手くいかないんでしょ、何かあるんでしょ、と期待してしまう。

そして、あの結末にホッとした。良かった、何も起こらなかった、幸せのうちに眠ったのだと。

自分のことを真剣に考えてくれる友がいて、社会との繋がりがあって、愛した人とまた親交を持てて、希望に満ちていて。

人は、いかに死ぬべきか。

死は、不幸なことなんだろうか。
だとすると、人は皆、不幸ではないか。

そうではない、幸福のうちになくなるということが、ひとつの幸せの形なのかもしれないと思えたからだ。

西川美和監督は、何をどうデザインしようとしてこの物語をつくったのだろう。
じゃり

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