おけい

プラットフォームのおけいのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.6
スペイン産SFスリラー。

目が覚めたら主人公が意味不明な建物に放り込まれてて状況把握できない点は『CUBE』にも似てるのだが…本作の分かりやすい所は建物の構造が塔のようになっており上層から食料の恩恵が受けられ下層にいくほど残飯しか残っていない縦社会。

完全に現代社会の構造を皮肉っている。上層に位置する一部特権層から徐々に下層に位置する庶民達。

そういう点では『CUBE』のような単なるシチュエーションスリラーとは思えない作り手側のメッセージを強く感じます。

主人公が最初に目覚めた階層は48階。そこではまだマシな方で残飯にありつける。1ヶ月事にランダムに階層が変わる為、下層に行く程悲惨な状況になり、生きる為にはカニバリズムも…

一度下層を経験した人達はほとんど、上層に上がると、その特権をフル活用してしまう。下層の経験を生かして打開策を思考するのではなく自分の利益しか考えなくなる。人間って何と愚かな生き物なのだろう…。

だが主人公は6階層になった時考える。上層が下層のことも考えて食べれば、一番下層まで食料がシェアできると。

大量の食料が運ばれるプラットホームに飛び乗り各階の人達を説得しはじめる。

このあたりから、本作は面白くなる。

しかしあれだね、食事って毎日、僅かな糧があれば生きていけるのだから、食べ過ぎたところで食い溜めはできないわけよね。そこを必死に溜め込もうとする姿は、やはり自分達の利権や地位を必死に守ろうとする一部特権層の輩を連想せずにはいられない。
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