みーゆー

花束みたいな恋をしたのみーゆーのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.7
普通


あまり観たものに対して使わない一言をひとつ。
「私の生きた世界の私の話なのだと思った」

音楽、小説、お笑い、舞台、美術館、そして映画、大好きなものに囲まれてずっと生きてきた。それらが「サブ」と呼ばれて人気になったり、凄いと言われたり、原点としてはそこまで注目を浴びてなかったこともあった気がする。カルチャーは私にとって人生だった。

そんな男女が2人。5年間の軌跡を観た。
「普通になるのって難しい」普通ってなんだろう?好きなことを仕事にして、好きなことをして、好きなものを見て、やりたくないことはやらない。それでも働くことはできる。そう思っていたけれど。

あれだけ彼の言う普通になることを困難としていたのに、普通になってしまったのは彼だったのかな。なにがその人にとって「生き甲斐としていること」が変わってしまうのはかなしい。仕方がないことだけど。

「恋はナマモノで、恋は花束」なのだと言う。
必ず終わりがあるのなら、花束抱えて花瓶に入れ換えて、その様をずっと眺めていようか。その間だけは、たまらなく愛おしくてきっと奇跡で、普通なんかじゃない。普通であるわけないんだから。

萩原みのりと岡部たかしはいつだってとっても良いし、森優作は良い塩梅。これからも楽しませてくれるんだろうなぁ、きっと。わたしもオダギリジョーとFEVERでレモンサワー飲みたい。

帰り道はきのこ帝国を聴いて帰った。
海と花束が使われないなんて!なんて思ったけど、最初で最後の他愛ない約束なんて言われちゃったら万が一の未来に殴られそうだな