とびん

花束みたいな恋をしたのとびんのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

※このレビューではかなり痛烈にコメントしています。不愉快にさせてしまう可能性がありますので、好きな方は見ないでください。


典型的なサブカル人間たちが、運命的に出会い、現実的に別れるラブロマンス。
まとめると2行だけど、濃密な2時間だった。
こんな簡単なお話を面白いと思わせてしまう坂元裕二は、やはりすごい。
めっちゃ面白かった。けど、めっちゃ嫌いだった。
Googleマップの伏線、イヤホンの伏線。台詞の節々の伏線とあらゆるところに伏線が張り巡らされており、見ていて飽きない。それでいて、タランティーノのように、結末を最初に持ってくるというオシャレでわかりやすい構成になっているので、二重の意味で楽しめる作品だった。
クライマックスのファミレスでの会話も良い。
主人公ではなく、全く関係ないカップルが主人公の思い出を代弁させたのは上手い。あそこで気持ちを言葉にしていたら興ざめだっただろうし、こういったセリフなしの感情変化が坂元裕二を大脚本家にしたんだと思う。
台詞も構成もキャストもめっちゃいい……!
ただ!!
俺はこいつらが嫌いだ!!!
この、俺たち、他の人が聞かないような音楽聞いてますよ? アニメ映画? だったら押井守や今敏監督でしょう? という拗らせサブカル人間どもが俺は嫌い……この1点に尽きる。
これは当作品の感想と言うより、サブカル人間の嫌いところになってしまうのだが、彼らって作品が好きなわけじゃないんだよね。
マイナーで少し流行が来ている作品を追っている自分が好きというだけ。
作品をファッションとして見てる。そのくせ、浅く広く知ってるだけのくせして、あんまり作品を知らない人を鼻で笑ったり、イヤホンの聞き方で通ぶったりしてくる。
お前ら、AKIRAとかに感銘してる自分たちが好きなだけだろう? 昔のセル画とかを良いって感じてる自分たちに浸ってるんだろう?
ムカつくわ〜〜!
ゴールデンカムイとか宝石の国とか、出すところも嫌だ。漫画とか疎い人には伝わらず、少し齧ってる人なら分かる作品。この2つの作品を批判しているわけでなくて……2人が自分に酔ってる感じが伝わってくるのが嫌なんだよね。
マイナー作品で自分のプライドを保ってる感じが本当に無理。
ただ、本当に無理って思わせるキャラクターの練り上げ、サブカル好きな人たちをピンポイントでぶっ刺す作品の選り分けはすごいよな。
中盤、終盤になると、サブカル的な要素はなくなっていき、2人のすれ違い、心理描写が軸になり、見やすくなった。
めちゃくちゃいい作品だった。ただ、自分がこいつらを好きにはなれなかった。
とびん

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