まち

ミッドナイトスワンのまちのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.0
もう一回は観たくないんだけど…まじでしんどくて、心が痛くて、日本映画としてめちゃくちゃ良くて……1回は観ておいて良かった。

LGBTQを題材にした作品(これに限らず社会派作品)で出てくる、わざと理解のないものから傷付けられるしんどい描写がめちゃ苦手なので、この手の描写がもっと減ってくれる世の中になって欲しいと願っている。 
こーゆー描写、物語作る時気を付けたいんだよね。私が嫌だから。こうやってどんどん分かりやすい表現を嫌がり足枷の多い人生になっていく……


だんだん歩み寄っていった描写、「母」という存在に奪われた守りたい存在、焦り、絶望、失意、イチカを中心にたくさんの人間の悲しい感情が折り重なって、屍の上でイチカは踊り続けてるんだな…て思ったら悲しくてしかたなかった。リンとナギサの命背負ってたら踊り続けるしか…無いじゃん。彼女にその強迫観念みたいなものは無くても、そう動いてしまう気がする。

イチカ卒業後の再会シーンが辛いのは勿論ですけど直接的なショッキングシーンすぎて邦画こういうのバン!ひどいでしょ!て出すよね!て怒りの気持ちになったので、
個人的に好きな(しんどい)シーンはコンクールで母が抱きしめにいったシーン…。
そこまでバレエを続けられるようにサポートしてきたのはナギサなのに、母にはなれないことを痛感するシーンが本当に胸を痛めてしまった…その後の広島での生活、腕の傷…と腹から出した存在がそんなに偉いのかを問うよ

冒頭、単館映画的画面のラフさと商業映画的画面構成の美しさ、どちらのバランスも最高でこれは理想〜〜〜と思っていたのでそういう意味でも100点!なんだけどもう1回は無理かも!
まち

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