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由宇子の天秤のkyokoのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
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これはスコアが難しいな。。
時間が経つにつれて印象が強まる作品と言える。
ああ、あれもこれも秤にかけざるえないことだったのだなと。
嘘と罪悪感、正義感と打算、信頼と疑惑、己のために誰かのために天秤が傾ぐほうを選択し続けるほかなく、命だけは秤に乗せちゃいけないと言える以外、万人のための正解など存在しない。

いじめ事件におけるマスコミの報道についてはあえてなのか想像させるだけにとどめていて、証言に対する実感がなかなかしづらい。そうこうしているうちにまさかの事態にええええー。
これはなかなかに違和感ありありだったけど、もしかしたらこれこそが「リアルな情景」だったりするのかな。ドキュメンタリー=作り手の意図に導かれる完璧な物語、に馴染み過ぎたゆえの違和感なのかも。

手持ちカメラによる不安定さ、劇伴なし、「今なんつった?」と聞き返したくなるセリフ、物語にリアリティを持たせるための試みは手垢感があり過ぎる。それ以上にこういう役の池田良がザ・池田良すぎる。
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