囲碁+バイオレンス復讐劇という「ヒカルの碁」と「北斗の拳」を足した様なオンリーワンな作品だった「神の一手」のスピンオフ作品です。
前作で劇中最強ながら一度も姿を見せなかった鬼手の生い立ちを描いています。
「天 天和通りの快男児」に対する「アカギ」みたいな感じです。
前作との繋がりはほぼ無いので今作からでも観られます。
囲碁+バイオレンス復讐劇というフォーマットはそのままに前作からどこを伸ばすのを観客が望んでいるか製作陣はよくわかっています。
前作のマイナス30度の冷凍庫の中での早指し碁という頭がどうかしたシチュエーションでの対局という方面に特化したのは大正解です。
今作では線路上での早指し碁や取られた碁石の重みで硫酸の飛び出す碁盤でのバトルや霊視を使う占い師との白石だけの一色碁などの「魁!!男塾」テイスト満載の囲碁バトルが繰り広げられます。
「仁義なきイレブン」とか「極道甲子園」みたいな勢いのあった頃のVシネマを思い出します。
ハードな生い立ちの主人公が姉を強姦して自殺に追い込んだ最強のプロ棋士を倒す為に奮闘しますが、ラストのプロ100人対主人公の碁バトルがシチュエーションもビジュアルも最高です。
やっぱりラストは白装束です。
山寺にこもっての囲碁修行はボンクラ男子の琴線に触れるグッとくる展開でした。
主人公 鬼手を演じたクォン・サンウも鍛え抜いた肉体と男くさい風貌がイイです。
「ハイロー」の琥珀さんみたいで好きです。
金にがめつい面白相棒ポジションのトンを演じたキム・ヒウォンも韓国映画の名バイプレイヤー ユ・ヘジンみたいで良かったです。
トイレでの格闘シーンで敵のモブキャラながら異常に体のキレが良い人がいたのが気になりました。
あの連続蹴りやナイフテクはカッコ良かったです。