のほほんさん

ファンファーレが鳴り響くののほほんさんのレビュー・感想・評価

ファンファーレが鳴り響く(2020年製作の映画)
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ポスターとストーリーがなんとなく気になって観た作品。

強く感じるのは「気持ち」。高校生くらいの頃には自分も持っていた、大人や社会に対する鬱屈とした気持ち。周りの奴らとは違って自分は特別な様な気がするけど、それがどうにもならないし、何かが出来る訳でもない。エネルギーは有り余っていてなんか爆発させたいのに出来ない。そんな気持ち。

今となってはそんなこともあったなあという感覚なのだが、こうした感覚の大人こそが「そんなこと」の当事者である10代の彼らには本当に煩わしいのであって。


イジメや吃音の原因を自分が弱いから、と決めてかかる父親や、形式的にイジメの有無のアンケート取ったり生徒に謝罪させられる教師だったり。あるいは若い彼らを性欲の捌け口にしようとする奴らだったり。
実はイジメをしている奴ら(スペシャルアクターズの弟くんだった)も、根っこには同じ様な気持ちがあるのかもしれない。

少し大人になった主人公が出会う、さりげない優しさを見せる職場のおじさんみたいな一つが最初からいたら、あんな事にはならなかったのかもしれない。

10代の頃にこの作品を観ていたら、より彼らへの強い共感があったであろうことは間違いない。


しかし、太ももを見て欲情するも、その前の攻撃でちょん切られていたが為にコトに及べない木下ほうかさんは最高だった(笑)