ちいさな泥棒

秘密の儀式のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

秘密の儀式(1968年製作の映画)
3.3
やってくれたなジョセフ・ロージー!
ファッションは眼福だけど胸焼け起こして3日に分けて観た。大好きな『召使』のジョセフ・ロージー監督。監督、もう勘弁してくださいよ(褒めてる)

子供を失った女が妙な女に「マミー」と呼ばれ屋敷に連れていかれ擬似親子として暮らすことに…そこに現れた性的虐待をしている下品な継父の存在で崩れるバランス。お腹に人形を入れて妊婦をマネたり何を考えているのか掴めない情緒不安定なミア・ファローが末恐ろしく不気味。バスの座席で急に隣に座ってきて無言で見つめて泣いてくるとか完全にヤバい人すぎるだろう…怖すぎるだろう…いくら可愛くてもヤバすぎるだろう…よくついていったよ……

ミア・ファローってベリーショートやファッションアイコン的な部分があるので可愛さばかりに目がいくけど、それゆえにこの手の作品を演じさせたらピカイチなのでは!と思うほど年齢不詳の不思議ちゃん全開さがハマりすぎてた。継父にも指摘されてたけどガニ股で雑に歩いて、手足使って部屋をめちゃくちゃにして虚言的な現場をつくるとことか目がギンギン。怖すぎる。

莫大な遺産をもつため骨董品屋を営む親戚が心配してるフリして来て遺品盗んでいったり、継父はもはやこの話題しかできない機械なのではと思うほど口を開けば性的な話(しかもディープで胸焼けするタイプのやつ)しかしないなど問題ありな人しか出てこない。

こちらの作品の後に『ローズマリーの赤ちゃん』なのかな?「また妊娠してるしかもまた普通ではない形の…」となりましたね。もうひとつ気になってるミア作品からも推測すると、可愛いさに反してこの人は意外と内側にいい狂気性を孕んでて意外とそれを表現できる人なのかもしれないと思った。それもあってか可愛いけど実はとても中身が男性より男性的でチャレンジャーで野心家な側面や雰囲気、一面を感じたりもした。

誰もいない椅子に向かって「あの声聞きたいの?」やら母親だと思ってる相手に「ママはあの時どんな声出すの?パパは強かった?上手かった?」とかあけすけに聞いちゃうヤバい子がとっても合ってた。年齢不詳のメンヘラ不思議ちゃん佇まいや登場から危うくてこの人じゃないと演じられなかっただろうなぁ。

P.S 観終わってどっしり疲れて頭がバグったのかaikoの『ロージー』って曲のラスト「ロぉおぉおぉおぉおぉ〜〜〜〜〜ジィーーーーーーー!」ってシャウトを何度も歌ってましたね、はい。ちなみにaikoはつくったあとにロージーって名前は女性につけられる名前だと知ったらしいですw