キャッスルグレンギャリ

バビロンのキャッスルグレンギャリのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.8
ハリウッドの裏面史をこれでもかと並べ綴った「ハリウッド・バビロン」を何度も読み返している筆者は本作の作品名を観て大いに期待しました。滅多にロードショーは行かないし3時間超の大作ですが、思い切って観に行きました。サイレントからトーキーへ変わる時代を描いた作品、スターの栄枯盛衰を描いた作品はこれまでいくつも作られてきました。「雨に唄えば」、「サンセット大通り」、「スタア誕生」最近では「アーティスト」。それらとは違いました。本作は物語を楽しむためのものではない、という感じ。では何を狙ったのか。音楽?エログロ?「アーティスト」の方が工夫があって上質ですね。
物語があったのはブラッド・ビッドのジャックだけ。ネリーはどれだけのスターになって、どのくらい堕ちたのかがはっきりしない。マニーは重役でもオーディショップ店主でも出で立ちがかわらない。シドニーもそう。3時間を退屈しなかったのですが、もういいです。
ところで冒頭のハチャメチャなパーティで巨漢の男が間違いを起こしてしまい泣きわめくシーンがありました。これは「でぶ君のバージニア・ラッペ」事件ですね。「ハリウッド・バビロン」を読んでいたのですぐにわかりました。ハリウッドのスキャンダル史には欠かせないスキャンダルですから。