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ブラックバード 家族が家族であるうちにのmiiのレビュー・感想・評価

4.2
安楽死 尊厳死のお話です。

母親がそれを決めて
娘たちやその家族が週末に集まり 3日間を共に過ごすというもの。

母親は季節外れのクリスマスをお願いして
それは「最後の晩餐」のよう。
彼女がドレスアップして登場した時は 彼女の誇り高き姿に涙が出て来ました。
形見を家族にプレゼントをして
それはそれは 幸せな家族の食卓でした。

ただ 次女のアナに関しては 母の決めた事を納得できずにいるのですよね。
彼女は精神を患っているので
母親の自死は当然受け入れられないでしょう。
たとえ離れて暮らしていたとしても
彼女の存在だけで 大きな心の拠り所であるはずだから。

また 母親が親友リズに娘たちと夫を託したのも
わたしも同じ母親だからかな 理解できる。
この辺りは 娘の立場だと 理解し難いかもしれませんね。

この世を去る日にちが決まっていると
残された人生の生き方も変わってくる。
人生でやり残した事 整理をする事もできる。
いつ訪れるか分からない 死を待つだけの生活···
食事も食べられずに寝たきりで 管を繋がれているだけ。
それでも生きてほしいという家族の想いと
受け入れようとする家族の姿。
娘たちの葛藤と 許容はしたものの夫の哀しみが見て取れて
それでも時は無情にも過ぎてゆく。
最期の時に向かっていきます。

彼女の最期は 家族に見守られて とても幸せだと思いました。
わたしも そんな最期を迎えたいとも思いましたね。

安楽死という言葉よりも
彼女を尊重した尊厳死(本来の意味とは異なりますが)というべき物語でした。
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