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ステップのnnのレビュー・感想・評価

ステップ(2020年製作の映画)
3.6
オンライン試写会にて。

妻に先立たれてから1年。娘の美紀と再出発を決意した健一。
“なんにも思い通りにならない”―――。
仕事と育児の両立に悩みながらも、ゆっくりと成長していく姿は、忙しい現代社会で、
自分自身の大切なものを見失わないように懸命に生きる全ての人の心を刺激する。   HPより

2歳半から小学校を卒業するまでの10年間の父娘のあゆみ。
周りの温かいフォロー。
想像したよりはお涙頂戴的でなかったので良かった。
と言いつつ、ワタクシの涙腺をまず崩壊させたのが、この美紀ちゃんの保育園デビュー。
泣くことなく保育士さんに抱っこされ、父の心の声「小さいなりに気を使ったのだろう」的なことが聞こえた時、ワタクシどばっと泣けた。
同じ2歳の時に、我が娘も保育園デビュー。
心配する母をよそにすんなりと保育園に馴染んで行った。
それから東京へ出てくるまでの10年間と、この美紀ちゃんがダブってしまう。
映画の中で、母の日に「お母さんの顔」を描くという場面が出てきて、担任は「お母さんの写真を見ながら描いてもらうというのはどうでしょう」と提案する。
父健一は「うちの子だけ?」と渋い表情だが、(そしてこの担任はあまりいい感じには描かれていないが)
まだ、相談してくるだけいいじゃないかと思った。
我が娘は保育園に育ててもらったと思うほど感謝しているが、唯一「父の日のお父さんの顔の絵」に関しては苦い思い出がある。
園の近所のスーパーに「お父さんの絵」を貼ってあるから見てくださいねとお知らせがあり、嫌な予感がした。
うちの娘には何と言って絵を描かせたのだろうか、せめて「Cちゃんはおじいちゃんの顔を描く?」か「ママのお顔でもいいんだよ」とか言ってもらえたのだろうか。
スーパーの野菜売り場の上に並べられた園児の絵を一枚一枚、目で追っていきながら、我が娘の絵の前でワタクシは立ち尽くした。
普段、もう人の顔も認識して、上手にいろいろな色も使って目鼻口を描けるようになっていた娘の絵は、黒いクレヨンでぐるぐる書きなぐっただけのものだった。
「おとうさんの顔を描きましょう」と言われ、困ってしまって、ぐるぐるぐるぐる描いたのか。
黒色一色というのも、彼女の反抗だったのではないかと、ワタクシは野菜売り場の前で泣きたいような腹立たしいような気持ちでただ立ち尽くしていた。

映画の話に戻ろう。
亡くなったママの両親、美紀ちゃんのおじいちゃんおばあちゃんを演じるのが國村隼氏と余貴美子氏だ。
いや、これはもう完璧すぎるキャスティングだ。
この二人が優しく、孫と娘婿を見守る。
距離感も完璧に。
とは言え・・・
これは難しい立ち位置だよね〜リアルでは。
と思ってしまう。
実際に、我が母の友人がまさにそういう環境で、自分の息子の嫁が早世し、息子と孫娘二人と同居している。
少し離れたところに亡くなったお嫁さんのお母さんが住んでいて、しょっちゅう孫娘に会いにくる。
そりゃそうだよね〜娘死んじゃって悲しみのどん底で、残された孫娘たちのことが気になってしょうがないだろう。
で、めっちゃ可愛がるしお金もあげるし、で、孫娘たちはママ方のおばあちゃんが大好きである。
一方一緒に住んでるパパ方のおばあちゃんは、生活態度のことやらしつけやら口うるさく注意する。
パパは仕事で忙しいからそういう罪悪感もあり、叱ることもせず甘やかす。
毎日お弁当作ったり、身の回りの世話してご飯食べさせてるおばあちゃんは憎まれ役でわりに合わないと、
我が母に愚痴るそうだ。
上の子が高校生になったらしいから、もうそろそろおばあちゃんへの感謝の気持ちが出てくるはずだよ。としか言えない。

いかんいかん。
ついついリアルな場面に考えがいってしまう。
フィクション!フィクション!
フィクションの難しいところで、子役の女の子たちがそれぞれの年齢を演じるのでちょっと慣れるのに手間取る。
6歳から8歳まで演じた白鳥玉季ちゃんが最近よく見かける子だったこともあり、9歳になってガラリと変わると「え?また変わるのっ?韓国のドラマみたいだわ。」と思う。
結局生まれたての頃→2歳半→6歳→9歳と、美紀ちゃんは四人いた。
そう考えると「北の国から」とか「Dr.コトー診療所」とかはすごい。
そして、吉岡秀隆氏や中嶋朋子氏、神木隆之介君らはすごい。

ダメだな。全くもって映画の感想になってない。
花粉症からの喉痛からの軽い発熱からの不調なのか、はたまた・・・いや、まさか・・・
桜にはしゃぎ過ぎて一人花見のし過ぎなのか体調イマイチ。
おとなしく過ごします。
nn

nn